今月の撮影ぶらりひとり旅は、小田原駅から出るふたつの鉄道の旅です。
9月にクルマで小田原に来た時、小田原駅から出るいくつかのローカルな鉄道が気になっていて、今回はそれに乗るという目的だけで出かけることにしました。
ターゲットの鉄道は、伊豆箱根鉄道大雄山線と箱根登山鉄道。
箱根登山鉄道は箱根に行く観光の足としてあまりに有名ですが、大雄山線は観光の足というより地域の足という顔の方が主のような鉄道でした。
出かけたのは昨日、11月8日の土曜日。
天気はあいにくの雨。
本降りではありませんが、しとしとと小雨が降り続く肌寒い日となってしまいました。

小田原駅に着いて、すぐに伊豆箱根鉄道大雄山線のホームへ。ホームは島式2線で、青い3両編成の電車が待っています。運転間隔は12分で、電車を待つという意識を感じる間もなくすぐに乗って発車です。
陣取った席は運転席の真後ろ。
単線の線路が民家の間を抜けるように走って行きます。
終点大雄山駅には20分くらいで着きます。
運賃は270円。Suicaが利用できます。

駅前に出て目に付くのが金太郎。そして、天狗の文字。
ここは、金太郎の故郷であり、天狗様のお寺のあるところなのです。
ちょうど紅葉の時期。
せっかく来たのですから、その天狗様で有名な
大雄山最乗寺にいくことにしました。
仁王門から参道を歩き、両側の立派な杉に囲まれた「天狗の小径」を通って行くのがいいなぁと思ったのですが、雨ということと距離が3Km以上もあるというので、今回はバスで行くことにしました。(ちなみにバスもSuica利用可、260円です)
バスを降りて相生橋を渡って歩いていくと、見事な杉に囲まれます。
人も少なく、雨の中、白く煙る杉を眺めていると、その自然に吸い込まれそうな感じになります。

瑠璃門を通って本堂でお参りをし、さらに奥に進むと結界門があります。その両側に、鳥天狗と鼻高天狗の像が睨みをきかせています。
人が少ないのは雨のせいなのかもともとなのかわかりませんが、厳かで静かで神秘的な場所でした。ただ、紅葉での見所はもう少しあとの方がいいようです。
小田原駅に戻ると、今度は箱根登山鉄道のホームに移動します。
箱根登山鉄道といっても、箱根湯本までは小田急の乗り入れとなっていて、小田急の電車しか走っていません。急勾配を登る箱根登山鉄道の専用車輌は、箱根湯本からとなります。

私が乗ったのは、最新車輌の1000系、2000系ではなく、古い1形、2形と呼ばれるもの。急勾配を低スピードでうなり音をあげて登っていく感覚はたまりません。
そしてもうひとつの楽しみがスイッチバック。山の側面を効率よく登るために、行ったり来たりしながら登るやりかたです。窓から線路を見ているだけでワクワクしてきてしまいます。スイッチバックは3ヶ所ありますので、箱根湯本で運転席だった側は、終点の強羅では反対の車掌側となります。写真は箱根湯本から一つ目のスイッチバック、出山信号所です。

強羅につくと、すぐ先も見えないほどのもやがかかり、幻想的な雰囲気でもあります。強羅付近は、9月にクルマで走った場所ですが、その時も同じようにもやがかかっていました。それほどここは標高の高いところにあるということなんでしょう。このままどこかの温泉に泊まってのんびりとしたい気分になるのを振り切って、小田原駅にトンボ帰りです。小田原-強羅は片道650円。こちらもSuicaが利用できて便利です。(愛知県人はこんなことにも感動しています。(^_^;))
毎月、あわただしい思いつきばかりのぶらりひとり旅ですが、今回は地味ながらとても楽しかったです。天気がよければと最初は思いましたが、こういう天気だからこその風景に出逢えたということもあり、良かったかなと思います。
来月はまた京都に行こうと目論んでいます。
紅葉の時期が過ぎ、人の数が少しはひくだろう12月の京都。
どんな表情を見せてくれるのかとても楽しみです。